Inner Wolf : 内なるオオカミ

以前からイエローストーン国立公園のオオカミ復興プロジェクトについては耳にしてはいたが、先日、『American Wolf』という本に触れ、改めて、オオカミに強い興味を惹かれるようになった。

2017年に米国で出版され、ほうぼうで注目を集めたこの本の主人公は「O-six(オーシックス)」と呼ばれたメスのオオカミ(写真)。イエローストーン国立公園内の数ある狼のパック(群れ)の中でもひときわ人気を博した群れのリーダーだった。

 

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O-six

 

野生のオオカミのパック・リーダーはオスがなると思われがちだが、実はメスもリーダーになる。この本は、メスのリーダーO-sixの逸話を柱として、野生のオオカミの生態を語り、絶滅しかかったアメリカのオオカミの保護に取り組むひとびと、保護に反対するひとびと、さらには、賛成派と反対派の綱引きに多大な影響を与える環境保護規制や米政界ポリティクスにも言及し、オオカミを取り巻く話題をさまざまな視点から網羅したノンフィクションだ。

 

本書を読み進むうちに、パック・リーダーの行動に見られる「リーダーとしての資質」に、わたしは強い興味をひかれた。オオカミには、人間のように、「empathy」があるというのだ。

 

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