パンを焼く

最近、自分でパンを焼くようになりました。

Boule(ブール)呼ばれる、シンプルなフランスの田舎パンです。Bouleというのはフランス語で「ボール(球)」という意味なんだそうです。

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もう100個以上は焼いたので、そろそろ自信がついてきました。

このパンのすごいところは「こねない」のです。

材料をさっと混ぜて、放置して、焼く前に丸めて焼くだけ。

ともかく驚くほど簡単です。簡単なのに焼き立てだからフレッシュで美味しい。これを焼くようになってから、ブレッドメーカーがホコリをかぶっています。お店でお金を出してパンを買うこともなくなりました。

ツイッターで焼き上がりの写真を紹介するたび、レシピと作り方を知りたいというご要望を頂くので、ここで紹介します。(ちなみに、わたしが参考にしたのはこの本。そしてユーチューブに上がっているビデオの数々です。)

まず、材料です。以下の分量で、直径20センチぐらいのパンが3~4個焼けます。(以下の分量を半分にして仕込んでも大丈夫です。水道水は使わないで。)

1.顆粒状イースト (Active Yeast) (10g)

2.粗い食塩(Kosher Salt) (20~25g)

3.蒸留水のぬるま湯(100℉/38℃ぐらい) (680g)

4.普通の小麦粉(All Purpose Unbleached Flower) (910g)

あと、オーブンで焼くときに、焦げないよう底に敷くために、少量のコーンミール(Corn Meal)も用意してください。

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必要な器具です。

1.グラムまで計れる秤(はかり)

2.比較的大き目の容器(私のは6Q=約6リットル入るタッパ)

3.温度計(お湯の温度を計るのと、オーブン内の温度を計るのと、それぞれ)

4.混ぜ棒(無ければ、スプーンやおへら、手などで代用可)

(⋆混ぜ棒は、アマゾンでこれを買いました。あると便利です。安いしおススメ。)

5.ダッチオーブン(ルクルーゼやストウヴのような厚手の重い鉄鍋。)

6.パーチメントペーパー(Parchment Paper)

Boule 03.jpgパン種の作り方です。こねないので、工程5分以下。

1.材料の最初の3つ(イースト、塩、水)を容器に入れかき混ぜる。1分ぐらい。

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2.粉を一気に全量入れて、混ぜ棒で全体が均一になるまで混ぜます。1~2分。

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均一に混ざったドー。

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3.容器の中に乾いた粉が残らない程度に混ざったら、ラップをかけて、蓋も密閉せずに室温(70Fぐらい=22℃ぐらい)で2時間以上放置します。

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4.2時間後、ドーは倍以上に膨らみます。このまま冷蔵庫に入れて一晩置きます。

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いよいよ、焼きます。

1.パーチメント・ペーパーに、コーンミールを一握り振り、その上に、冷蔵庫から出した冷たいドーを適量取り出し、グレープフルーツぐらいの大きさに手早く丸めて、ドーの継ぎ目を下に、滑らかな方を上になるように、置きます。ドーがくっつかないよう 手のひらに 小麦粉を振り、20~30秒ぐらいでササッと丸めてください。

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2.軽く小麦粉を表面に振り、乾かないようラップをかけて60分放置。

3.60分目にオーブンに、空のダッチオーブンを蓋して入れ、450℉(230℃ぐらい)に温め始めます。アメリカで使われてるスタンダードなオーブンだと、450℃(230℃)に温まるまで30分ぐらいかかります。(一つだけ焼いてもいいし、わたしのように、小さ目のダッチオーブン二つを使い、一度に2個焼くこともできます。)

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4.オーブン内の温度計が450℉(230℃)を指してるのを確認します。(ここまでで、ドーは90分放置されてる状態です。)

5.焼く寸前に、ドーに再び粉を表面に振り、切り込みを入れます。

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6.オーブンから、熱くなったダッチオーブンを取り出し、パーチメント・ペーパーごと持ち上げてドーを入れます。鉄鍋はものすごく熱くなってるので、気をつけてください。

7.しっかり蓋をして、オーブンに戻します。パーチメントペーパーの端が鍋から出ていてOKです。ダッチオーブン鍋の中で蓋をしたまま30分焼きます。(蓋をしっかり閉じることで、ドーから出た水分が、自然と蒸し焼きの状態を作るのです。)

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8.30分経ったら、蓋を取り、さらに15分ぐらい焼きます。蓋を取ることで、綺麗な焼き色がつき、表面もパリパリに焼き上がります。

下は蓋を取ったところ。まだ表面の色が薄いキツネ色です。

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蓋を取ってオーブンを閉め、さらに15分ほど焼いて、取り出しました。表面がきれいな色に焼きあがっています。ラックに載せ、室温で粗熱を取ります。

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冷めてから切ります。断面はこんな感じ。中央の高さもあり、中は柔らかく、外はパリパリで歯ごたえあります。

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オーブンから出したては、キッチンに香ばしい匂いがたちこめ、急に外気に触れたパンの表面に亀裂が入り、パリッパリッとかすかな音が立ちます。

欧米の食卓では、 日本のフワフワの食パンよりも、こういう外側がハードな、素朴なパンのほうが好まれます。 サンドイッチにしてもおいしいし、夕食に添えてもよし。これを千切って、ブリーなどのナチュラルチーズや、堅いイタリアンソーセージ、それにワイン一杯あるだけで、軽い食事としても申し分なし。

焼き立てのパンがいつも食卓にある。それだけで、すばらしく贅沢な気持ち・・・。

使いきらなかったドーは、ふたたび容器ごと冷蔵庫に戻し、焼く前に取り出して同じ手順で作ります。冷蔵庫で寝かせている限り、ドーは14日以内に使いきれば大丈夫だそうです。冷蔵庫で寝せる時間が経つほど発酵が進み、ドーにほんのすこし酸っぱみが出て、焼き上がりはサワードーブレッドのような風味に近づきます。

以上が作り方です。ね、簡単でしょう?

どうぞ、お試しくださいませ!

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